剣(僉・刀・兵)
2005年1月23日 kodo | 個別ページ | コメント(0) | トラックバック(0)
金曜日に小学一年生の息子の学校へ行ってきました。
学校の公開授業の日で、
むかしのあそび、ということで、
ゲストとして、けん玉をやってきました。
「けん玉」というのは、
広辞苑をひくと、「剣玉」もしくは「拳玉」と書くようです。
先のとがった部分を剣というのでしょうか。
そういえば、形も剣にもなんとなく似ていますよね。
横の二つのお皿は、つばの部分に見えなくもありませんし(^^;
拳と書くのは、玉が拳のようだからでしょうか。
剣というのはどういうなりたちをしているのでしょう。
剣は、旧字では「劍」と書き、「僉(セン)」と「刂(トウ)」とからできています。
「僉(セン)」には、
令、命の上の部分とおなじ部分(人と一とを書いた部分)があります。
これは、神事にしたがうものが用いる礼冠の形です。
これに、ふたりの兄がえがかれています。
ふたりならんで祝祷するところから、「みんな」の意味が生じます。
「僉(みな)曰く」という用法があるらしく、
ほんらいは「神意を承る者の言がすべて一致する」という意味なのだそうです。
ふたりならんで祝祷するのが、僉(セン)です。
ふたりならんで舞楽するのが、巽(ソン)です。
僉は(セン)と音しますが、字統には、
「金文に剣銘の剣を僉に作っており、古く剣の声であったのであろう」
とありますので、
ふるくは僉は(ケン)という音だったのかもしれません。
右側の刂は、刀(トウ)です。
そのまま、刀のかたちです。
刀は片刃で、剣は両刃だったとおもいますが、
剣という字にも刀が入っています。
そういえば日本の剣道は、
刀(かたな)をつかうのに、「刀道」ではなくて「剣道」ですね。
剣は、金文では「刂(トウ)」をつかわずに「鐱(ケン)」(金+僉)となっているようです。
ところで、
古代の兵士は、刀や剣ではなく、斧を両手にもって戦ったのでしょうか。
「兵」という漢字は、「斤」を両手でさしあげているかたちで、
武器をとって戦うものの意をあらわしています。
「斤」は、斧(おの)のかたちなのです。
兵は、刀や剣をもって戦うのではないのですね。
帯剣できるものたちは限られたのでしょう。
「神意を承る者」である長兄たちだけが、
帯剣をゆるされたのかもしれませんね。
字統に、
「古く男子は帯剣、
六朝の士人も、聖徳太子像のような長剣を帯しており、
着剣のまま殿上に入ることを許される剣履上殿は、殊寵とされた。」
とあります。
参考文献:
字統、常用字解
追記: 2005.2.20
兵についてですが、『漢字の世界 1』(白川静著、平凡社東洋文庫)に、
教戒の戒は『説文』に「警なり」と訓するが、両手を以て高く戈を掲げている形である。兵が斤を捧げる形であるのと同じ。当時の兵器としては戈・鉞・斤・盾を主とし、剣はまだ作られていない。武舞には以上の諸器が用いられた。当時の戦いは概ね車戦であったが、徒兵は格闘して闘った。鬪[闘]は髪をふり乱して人が戦う形である。とありました。
戈(ほこ)や鉞(まさかり)、斤(おの)が武器だったので、
兵という字になったのですね。
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