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日本国語大辞典【いろはうた】

2005年3月 5日 kodo | | コメント(2) | トラックバック(0)

澄翔さんの、「いろはうた」知っていますか?を読みました。
興味がでたので、ちょっと調べてみました。

小学館の『日本国語大辞典(第二版)』の「いろはうた【以呂波歌】」の項に、

涅槃経(ねはんぎょう)の四句の偈(げ)「諸行無常、是生滅法、生滅滅己、寂滅為楽」の意を表わしたといわれる「色はにほへど散りぬるを、わが世たれぞ常ならむ、有為(うゐ)の奥山けふ越えて、浅き夢見じ酔(ゑ)ひもせず」の七五調四句四七文字からなる今様歌。同一文字が重出しないようにして作られており、平安中期ごろ韻学の世界で作られ、声調を整えるのに用いられたが、また手習いの手本や字母表および物の順序を示すのにも使われた。
とあります。澄翔さんのところで知ったとおりでした。
それにしても澄翔さんの偈の訳はみごとですね。
さらに、語誌に、
俗説に、弘法大師の作というが、「いろは歌」に、ア・ヤ行の「エ」の区別のないことなどから現在は否定されている。
ともありました。
文字をならべかえて別の語句をつくるのを、アナグラムというそうです。
日国.NETは日本国語大辞典第二版のオフィシャルサイトですが、
ここの「小林祥次郎の日本のことば遊び」第9回 いろは歌のアナグラムにくわしくかかれています。

この日本国語大辞典は、百科事典のようです。
ことばをしらべるときに、ひくのがたのしみな辞典というのはそうそうありません。
古典からの例がじつに豊富に掲載されています。
出典が載っているのがよいのです。

しりたかったことを解決するため、というよりは、
むしろそこから疑問が湧き出てきて、
つぎからつぎへとたどってついに深みにはまる、
ということを楽しめる辞典です。

こういった、問題意識や探究心を継起する書物がすきです。
そういう意味では白川静先生の『字統』や『字通』などもそうですね。
私は『常用字解』を鞄に入れて、暇なときに「読んで」 います。

さきの日本国語大辞典には、いろはの四七にちなんだことばもあります。
「伊呂波塚」は、赤穂義士四七人の墓を「いろは」四七文字にかけていう呼び名。
江戸時代の「いろは茶屋」は、47軒ならんでいたからだそうですし、
江戸のいろは組町火消しは、い組、ろ組など47組に分けたところからきたそうです。

いろは歌を、「イ、ロ、ハ、ニ、ホ、ヘ、ト」というように
文の意味を考えずに、文字の音だけを追う読み方は、
いろは読み」というそうです。

「いろは歌」をいま、息子に言わせてみたところ、やはり「いろは読み」なのですが、
なぜか「けふ」と「ゑひもせす」だけは、「きょう」、「えいもせず」と読んでいます。
そういえば、私も覚えたときは、ごちゃごちゃだったような気がします。

「いろは」は、古来、順番づけにも用いられています。
a. ... b. ... c. ...
とおなじです。辞典をみると、
いろは順、いろは番付、いろは引き、いろは符牒、いろは船など、
その順番づけに用いられた例です。
いろはガルタ、いろは短歌、いろは文字鎖、いろは回しなど、
遊びにも用いられています。

「いろは」というのは、手習いのはじめに教わるもの、ということから、
初心者用、手始め、というような意味にもつかわれます。
「いろはのいの字も~」というようないいまわしってありますよね。
習字のいっとう最初は、むかしから「いろは」からだったのです。

澄翔さんの「いろは歌」のお手本、
のびのびしていてきもちよいです。
こういうお手本でまなべる子供たちはしあわせです。

中国の「いろはうた」にあたるのは、
千字文(せんじもん)でしょうか。
松岡正剛の千夜千冊に、岩波文庫の『千字文』(小川環樹・木田章義注解)の書評がありますが、
私もこの岩波文庫にはとてもお世話になっています。

千字文(岩波文庫)
小川環樹注解・木田章義注解

千字文は古来、習字の手本とされてきました。
文字(漢字)をならうにはとてもよい手本になります。
いずれ、この千字文について書いてみたいとおもっています。

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コメント(2)

景牙 :

おお!岩波文庫の「千字文」! 私は昨年購入致しました。
智永の真草千字文の臨書を昨年始めまして、半紙に4字づつ臨書していたのですが、「字面を追うだけじゃなく、ちゃんと意味も理解しないと!」と思い、購入いたしました。
しかし、最近では怠けてしまい、岩波文庫は新品同様…とほほな状態にあります。また、書き始めなくちゃ。

kodo :

景牙さん、コメントありがとうございます。
購入した動機はやっぱり一緒ですね。
千字文は、その構成といい内容といい、
あまりにみごとで、ことばもないほどです。
私は寶墨軒本をいま臨書しています。
学生のころ小川本を国立博物館で拝見しましたが、
そのときの衝撃はいまだにわすれられません。

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