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唐太宗「温泉銘」

2005年5月 3日 kodo | | コメント(0) | トラックバック(0)

パリにあるフランス国立図書館では、
所蔵しているコレクションを写真で公開しています。


http://expositions.bnf.fr/
この写真の「巌」という字は異体字でしょうか。
太宗は異体字を好んで書いていたようです。
この温泉銘にも多くの異体字があります。明らかな間違いもあるようです。

1900年、僧侶が石窟寺から秘密の石室を発見したのですが、
この石室は11世紀はじめにタングート族(西夏人)が敦煌を征服するより前のままでした。
敦煌については多くのかたがかかれていますので詳細はゆずるとして、
興味の尽きないのは、その際に出土した諸物品です。

太宗の書した碑には、知られているもので、魏鄭公碑、晋祠銘、温泉銘と、三碑あります。
そのうちの温泉銘の拓本がここから出土しています。

温泉銘の「温泉」とは、いうまでもなくまさに温泉のことです。
その霊効や風物を述べたものです。
太宗の五十一歳のとき、まさに円熟の境地に達するときの作品です。
晋祠銘のかかれたころと同時期の碑ですが、
じつに味わいのある書ですね。

この温泉銘を、ペリイさんがパリへ持ってかえったわけです。

平凡社の『書道全集 第7巻』に、唐太宗の温泉銘があります。
6ページにわたって掲載されています。
現在、この拓本は、パリの国立図書館にあります。
国立図書館のコレクションになっているのです。
Webページで公開しているので、ちいさいですが、写真で全体像をみることができて幸いです。

http://expositions.bnf.fr/ をひらくと、羲之の字で「以當一」とあるのですぐにわかります。
http://expositions.bnf.fr/chine/expo/salle1/index0.htm
がトップページですので、たどっていきましょう。

パリ国立図書館の写真とくらべてみると、
平凡社書道全集にあるのは2行目から31行目までのようです。
この解説に、

のち玄宗が大増築をおこない、清華宮と名づけ、楊貴妃とともに遊楽にふけったことは史上に名高い。
とあります。
「清華宮」とあるのは「華清宮」の誤植です。
白居易の長恨歌で有名な華清宮ですが、
http://www.iijnet.or.jp/xipec/sight/meisho/sight14.htm
http://www.chitanet.or.jp/users/junji/kansi/tosando/kasei.html
に解説や写真がありました。

小林堂さんの学書瑣記
http://www.h6.dion.ne.jp/~shorindo/D4_11.htm
に温泉銘について、つぎのように書かれています。

唐太宗書「温泉銘」は原本はパリに去りその影印本はほぼ2種の焼き付け写真に基づいている。1つは書学院蔵、今1つはこの羅振玉蔵である。この「墨林星鳳」は羅振玉が「絳帖」中のこの碑の翻刻に基づいて原寸大に近く影印したものである。(書学院本は紙焼きの大きさなので縮小されている。)二玄社、清雅堂の影印もこれの翻印である。

平凡社の影印もおそらくはこの2つのどちらかでしょう。
小林堂さんはじつに貴重なものをいろいろお持ちでうらやましい限りです。
ブログも書かれていらしゃいますし、いつも勉強させていただいています。

パリの国立図書館のページには、旃罽帖(センケイジョウ)もあります。
二玄社の中国法書選12『王羲之尺牘集(上)』の40pに掲載されているものです。
これをカラーで閲覧することができます。
その法書選の西林昭一氏の解説には、以下のようにあります。

今世紀初頭に敦煌石窟の”蔵経洞”で発見されていたが、近年にいたって、唐末ごろにおける臨十七帖の断簡と確認されたものである。

王羲之の十七帖に、旃罽胡桃帖というものがあります。

それにしても、なんでまたパリなのでしょう。
国立図書館には他にもいろいろありますので、ぜひご鑑賞ください。

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