水引について
2005年5月28日 kodo | 個別ページ | コメント(7) | トラックバック(3)
sumi-mojiさんの記事「白・赤・金銀の"水引"は太陽・・・?」、たいへん興味深く拝読しました。とても勉強になりました。
「折形レッスン」には
いずれも太陽を意味する白あるいは銀を左側にして結びます。とありますので、左側の白・銀が太陽、ということなのですが、sumi-mojiさんの<白・赤・金銀の水引は太陽を意味している>となると、水引そのものが太陽、ということになりますでしょうか。
「水引の輪」が太陽だと説明しているページもありましたが、ブックマークしわすれました。すみません。
sumi-mojiさんの論考をまとめてみると、
「結び」の思想
=>一切の生命の根源である魂(たま)生み出した「むすび」の神
=>天照大神
=>太陽
=>水引
たしかにじつに壮大なはなしです。
sumi-mojiさんは、
「結ぶ」という行為がが魂(たま)を生む行為であり、その魂(たま)を司っている最高神がアマテラスの神(=太陽)ということなのだ。とまとめられています。わかりやすい説明に合点がいきました。
ただ、はっきり言えることは、「結ぶ」という行為は、神聖なものなのだということです。というのは、sumi-mojiさんの名言でしょう。そういう意味からいうと、水引はこころを結んでいるのであって、形はそのあらわれなのです。由来はともかくとして、何が正しいとかいうことではなく、神聖なきもちをもって、その地域の風習やしきたりにならうのが水引の礼であるようにおもいます。
白川静氏の「字訓」で「むすぶ」の語源を参照してみると、
「結ぶ」「掬ぶ」はいずれも「蒸す」系統の語で、生れ出て形をなすもの、生成する意をもつ語であった。とあります。
sumi-mojiさんのおっしゃるとおり「「結ぶ」という行為がが魂(たま)を生む行為」なわけです。
むすぶというのは、約束をも意味します。
魂(たま)を生(む)すぶというのは「ちぎり」だからでしょう。
記紀神話の中では、このニ神を生殖の神としています。それは、二人が(ニ神が)結婚して、大八州(おおやしま)を生み、天上の支配者としてアマテラスの神を、地上の支配者としてスサノオという人格神を、その他にも多くの神を生み出したとされているからです。
アマテラスは「日神」とあがめられてきたわけです。
日本書紀では、sumi-mojiさんのおっしゃるとおり、イザナギ・イザナミの子とされています。
ちなみに、古事記では、イザナギとイザナミは結婚して、国生みという大事をなしとげ、もろもろの神を生みましたが、アマテラスが生まれるのは、イザナミが死んで黄泉の国に行ってから、という記述のようです。イザナギが黄泉の国の穢れを落とすために禊(みそぎ)をし、左目を洗って生まれたのがアマテラスです。
ところで、
「結ぶ」という行為がが魂(たま)を生む行為であり、その魂(たま)を司っている最高神がアマテラスの神(=太陽)ということなのだ。と簡単に言ってしまったら、叱られるかもしれません・・・
この事柄は、原始宗教や国家神道と複雑結びついて時代が進むにつれて、形を変えていきますので、多くの要素を含みます。
と補注されています。
「魂(たま)を司っている最高神がアマテラスの神(=太陽)」というところですが、これが結びつくには、中国の五行説・陰陽説がおおきく絡んでいるという説もあります。
水引の由来は、中国貿易のさいに輸入品の箱の上に結んであった赤と白の縄からきているといいます。中国では輸出品であるという印として紅白の縄をつかっていたのですが、日本ではこれがめでたいものだと思われたのです。
この習慣が定着したのには、日本に古代からあった結ぶことによって魂がそこに宿ると考えられていた結びの信仰が、その根本にあったからだといわれています。
古来、贈答には魂を贈りあうという心があったものと思われます。
また、TAKA 水引についてには、
水引は古代日本においては神事に供えられる供物を束ねる紐として用いられ、神聖で汚れのない色として白一色が用いられていました。現在のように色分けされるようになったのは、日本古来の「行事・まつりごと」に用いられていた衣装装束の色分けと、古代中国より伝来した五行説の五原色が起源となっていると言われています。
- 古代日本におる結びの思想
- 中国伝来による五行説・陰陽説
古代中国の陰陽説(おんみょうせつ)に起源の発祥があり、水引結びには陰と陽があって、向って左側を「陽」と言って白色や銀色などの淡い色を用い、右側を「陰」と言って赤色・黒色・黄色や金色などの濃い色を配するのが正しい用い方としています。 尚、いずれも濃い色の金色と赤色を使用する場合は「陽」側に金色がくるように結びます。
陽と陰とは相対的なものなので、
白(陽)と赤(陰)
白(陽)と黒(陰)
白(陽)と銀(陰)
銀(陽)と金(陰)
金(陽)と赤(陰)
という関係になります。陽は左がわになるようにむすぶということです。
金も銀も、陽にも陰にもなりえるのがわかるとおもいます。
水引の本数についてもTAKA 水引についてには興味深い考察があります。
結ぶ水引の本数は奇数本数で用いることを基本としています。これは「偶数を陰数、奇数を陽数」とする古代中国の陰陽説からきていると言われています。又、5本に束ねたものを基本結びとしていますが、これも古代中国の五行説が影響していると考えられています。 3本結びは5本を簡素化したものであり、7本結びは5本結びをより丁寧にしたものであり、婚礼関係に使用する10本結びは偶数と捉えるのでなく、奇数の5本を倍数にした二重陽結びで、豪華さを表すとともに十分に満ちたりているという意味合いを持ちます。
奇数が基本で、婚礼はその倍数というとらえかたです。これに対して弔事には偶数というしきたりもあるようです。
アルピールオンライン のし(熨斗)・祝儀・不祝儀のマナー 水引について
には、
本来、慶事には5、7、9の奇数、弔事には2、4、6の偶数のこよりをより合わせた水引を使うのがしきたりと言われているようですが、現在においてはあまりしきたりにはとらわれず、慶弔ともに5、7本が多いようです。
弔事の水引が下を向くことについてのいわれは、ネットではちょっとわかりませんでした。
私もsumi-mojiさんのあげられていた額田氏の書籍を参照してからにしたいとおもいます。
ちなみに老舗の京水引 おり鶴庵のページに、
婚礼(慶事)の場合は水引の両端を上向きに、弔事の場合は下向きに結びます。とありました。こちらには、中国から伝来したのは飛鳥時代という記述があります。
水引の起源はたいへん古く、飛鳥時代に遡ります。遣随使が帰朝した際に、随からの贈り物に航海の無事と平穏を祈る紅白の麻紐が結ばれていました。 この麻紐が基になり、その後平安時代には一般社会にも広まり、「水引き」と呼ばれるようになりました。
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コメント(7)
sumi-moji :
トラックバックをありがとうございました。
水引の由来や"陰"と"陽"についてなど、舌足らずの文でしたので、
書き足さなくてはと、少々焦っておりました。
kodoさんの説明で、とてもよくわかりました。
「折形レッスン」を紹介していただかなかったら、水引のことを
こんなに調べる事もなかったので、よい機会をいただきました。もう少し自分の中で消化しておかなくてはいけないなあと
思っております。
kodo :
こちらこそ、ありがとうございます。
sumi-mojiさんよりご紹介していただいた、額田巌氏の「包み」「結び」(法政大学出版局)を読ませて頂いています。
これによると、包みや結びの思想については記紀に示されるとおりと考えられますが、水引や折形の包みが現在のかたちにととのったのは、鎌倉室町の武家故実礼法が定まる頃でしょうか。
枝葉が伸びていくように興味は尽きないものですね。
これからもよろしくお願いします。
sumi-moji :
先日からいろいろと教えていただいております。
まだまだ勉強不足ですが、今日、お教室で皆さんに
少し紹介をいたしました。日頃、書いているものの
中身を知る事はとても大切ですし、面白いものだと
つくづく感じております。
本当にありがとうございました。
kodo :
●sumi-mojiさん
ご教室、たのしそうですね。
sumi-mojiさんのお陰で興味が膨らみました。
ありがとうございます。
これからもよろしくお願いします。
shodoya(盛喜) :
こちらこそありがとうございました。
勉強不足なんてとんでもない。
こちらの方が知らないことばかりです。
またいろいろ教えていただけるとありがたいです。
どうぞよろしくお願いいたします。
りんりん :
kodoさん 書壇院の
苞竹記念会館のご案内を書きましたのでぜひご覧ください。15日からの新しい企画展示は来週発表されると思います。
kodo :
●りんりんさん
ありがとうございます。
その前に日下部鳴鶴展が明日までなのですね。
なせか日曜が休館日?
企画展示も楽しみです。ぜひ伺いたいとおもいます。
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