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裏打ち

2005年8月 3日 kodo | | コメント(2) | トラックバック(2)

觀山さんの裏打ち、堂に入ってきたようです。日課のように作業を行っていらっしゃるようです。

学生のころをおもいだします。学祭でおこなっていた学内展の作品の裏打ちはすべて自分たちでやっていました。代々先輩方が残してくださった額があったので、じつに安上がりに展覧会ができました。軸の仮表装も手がけていました。

大きなベニアには、半折を2枚。はられた作品を乾かすのに、部員がせいぜい4、5人程度しか入れないくらいの狭い部室内に何枚も一週間くらい置かれるものですから不自由はしましたが、自分の作品の乾き具合をみつつ待つ時間というのはじつにいいものです。

觀山さんは仮張りのときに、作品がおもてになるようにしています。これは表張りといい、正しいやりかたです。ヘラ差しがないようですが、小さな作品なので必要ないのでしょうか。はがすときがちょっと心配になります。仮張用に回糊をしたら、ちいさなポストイットのような紙片を作品に届くくらいの長さではっておくと、仮張からはがすときに、ヘラを差し込んではがせるので楽なのです。

私が先輩から教えていただいたやりかたは、ベニアに作品を裏にして、その上から糊をひいた裏打紙を打ち、そのまま乾かしてしまいます。裏向きにはったままです。仮張りはしません。しかも乾いたらそのままびらっとはがすというちょっと乱暴なやり方をしていました。

裏打ちの紙には、神保町の山形屋紙店の鳥の子をつかっていました。こしがしっかりしていて、つかいよい紙です。

糊は合成糊でした。クリーニング屋さんがつかう洗濯糊です。これを水で、これでもか、というくらいに薄めてつかいます。糊はうすいほうが仕上がりがよいのです。乾いたあとでも、作品と裏打紙をペーっとはがすことができます(そんな乱暴なことしませんが...)

ネットを検索すると、伊庭表装店の表具の風景が、港区のWebページに置いてありました。
みなと動画チャンネル 2003年11月号です。
http://www.city.minato.tokyo.jp/koho/video2003/mt_031111.ram
四代目の伊庭正行氏、百年つづいた技と心が20分ほどのビデオになっています。とても参考になります。金槌のようなものでうっているのは、はじめて拝見しました。

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コメント(2)

觀山 :

自己流の工作をわざわざ取り上げていただいて、かなり驚いてます・・・(笑)。

初めて裏打ちをしたのは、高校の選択書道の時間でして、今回はネットで少し情報収集してから取り掛かっています。
使用している糊は、高校時代にも登場した事務用のヤマト糊で、水で適当に薄めて塗っています。
家にあるものを活用するのがまた面白いところで、プロではありませんから、できる範囲で工夫すればよいと考えます。
ベニヤに貼る際の回糊は濃いため、乾燥すると無事に剥がすことはできません(必ず裏打紙の余白は破れます)。
最初にヘラさしを試したところ、私やり方では活用できなかったため、以後省略しました。
半紙・色紙サイズということもあり、仮貼りされたままの状態で、本紙部分をカッターで切ってしまいます。
本紙の裏側にあたる裏打紙には糊がついてませんので、きれいに外すことが可能なんですね。

仮貼りをせず裏向きのまま乾かすのは、手順がいくつか減るでしょうから、手早く作業が終わりそうですね。
ベニヤに接する部分の糊は他と同じ濃度ですか?
薄いとすぐに剥がれてシワになっちゃいますから、溶く際の見極めが難しいのです・・・

裏打ちも楽しいけど、軸装もいつかやってみたいと思っています。

kodo :

●觀山さん
本をさがしていて、お返事がおそくなりました。やはり仮張りには表張りと裏張りがありました。裏打ちの仕方にしても、基本は同じとはいっても、じつにさまざまでした。でも、仮張りをはぶく、などという邪道は、どこにもないですね(笑)。
学芸員の実習でも板碑の拓本などをとって裏打ちをやりましたが、紙ってほんとうに不思議です。石にはりついてあんなに自在に伸びたものが、裏打ちでまた平らになっちゃうのですから。
ヤマト糊とは、なつかしいですね~。昨日、子どもと夏休みの工作用に、紙粘土といっしょに買ってきてしまいました。保育園でつかっていたのとおなじだといっていました。指でのばしたりする工作ではヤマト糊が基本ですね。洗濯のりですが、ホームセンターをみてみると、天然素材の流行?で、洗濯用姫糊がありました。これならずっと安価でおすすめです。合成糊は作品にはよくないですからやめましょう。

先輩直伝の仮張りをしない方法では、当然ながら裏打ちにつかう糊、一種だけです。紙と紙を糊で貼り付けるという感じではありません。水ではくっつかないので仕方なく?というぐらい薄いです。つかなくてはがれちゃった、という失敗があります(笑)
だいじなのは、ゆっくり乾かすこと。あまりに乾くのが早すぎるときは霧吹きをしました。
裏打ちは保存のためでもあります。糊が濃いと本紙を痛めますし反りやすくなります。再表具もできなくなりますし、虫や黴も生えやすくなります。いいことがありません。
仮張りをした経験はあまりありませんが、仮張りする場合には、回糊はやはりやや濃い目にします。2倍くらいでしょうか。それでもツゥーと垂れるくらい薄いものです。

以下に『裏打ちの仕方』という小冊子にあった仮張りの手順をまとめてみました。この小冊子のやりかたは国宝や重要文化財の修理を手がける、京都の表具師墨光堂主人岡岩太郎氏の指導によるものだそうです。

本紙のほうを【表】、裏打紙のほうを【裏】とします。

1.裏をうったら、毛布の上に【表】にひろげて乾かす。
  乾いたら、
2.【裏】にして、霧吹きで湿らせる。
3.【表】にして、周囲1センチほどに糊をつける(回糊)。糊は濃淡なく塗布する(大事!私は用心深く2回まわします)
4.ヘラ入れ用の切れ端をのせる。
5.【裏】にしてベニアにおく。
6.糊のついた周囲を刷毛でなでる。刷毛は本紙中央部分には触れない。多少のたるみはOK。
7.糊のついた周囲を爪で何度も軽くなでる。

これは裏張りですが、裏張りは本紙に糊がつかないように注意が必要です。表張りでも手順は同じだとおもいます。
この小冊子には回糊の濃度については記述がありません。
「水のように薄く、粘り気がやや感じられるといつた程度」
とのことです。

鳥の子をつかうと、どこに作品があるかよくわかりませんし、長方形に裁断するためにもはがしてからカッターをしましたが、表張りで小さい作品なら、そのままカッターもいいですね。

記憶にたよっているので、いいかげんなお返事ですみません。

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