禹・竜・雲
2005年8月11日 kodo | 個別ページ | コメント(4) | トラックバック(0)
禹は、夏王朝の始祖です。
この「禹」という字は、
オスとメスの竜を描いた字です。

「禹」は「虫+九」です。
虫(き)
がオスの竜、九
がメスの竜です。
大河は文明の源ですから、洪水神をあがめます。
洪水神は、竜のかたちの神で、禹の字がつくられたのです。
竜は河とかかわりがあるのですね。
上下に竜があるというよりは、組み合わせたかたちです。
オスとメスの竜が交じわっているのです。
虫(キ)は、蛇などの爬虫類のかたちで、
これが竜をあらわすようになったのでしょう。
九は、あたまが3つにわかれています。
3つのあたまをもつ竜が、メス。
「禹」の字の「冂」の部分は、「九」です。
書をやられる方は、
左上の部分を、突き出たかたちに書くのをご存知かとおもいます。
これは、「九」だからなのですね。
あたまが3つ必要なのです。
現在の活字は「冂」のように書いていますが、
これでは、あたまが1つしかない竜になってしまいます。
九は神聖な数です。
「虫」は、「ムシ」ではありません。
これは、「キ」とよみます。
「虫」には、
1.蟲(ムシ)
2.虫(キ)
とがあります。
現在の「ムシ」は、1の「蟲」のほうです。
「虫」のほうは、「蟲」とは別字で、「キ」とよみます。
竜はもと「龍」と書きました。
これは、あたまに冠をつけた蛇身の獣のことです。
冠のかざりをつけるということは、聖獣のしるしです。
「鳳」も冠かざりをつけていましたよね。
竜は洪水神です。
この神は竜のかたちをしていたのです。
「虫」(キ)というかたちには、
あたまの部分と、尾の部分がありますよね。
下にある「ム」の部分が尾になります。
これが、雲のなかからのぞいているのが「云」。
「云」は「雲」の初字です。
雲のながれる下に、竜のまいている尾がすこしあらわれているかたち。
これが、雲(云)なのです。
雲に雨がついたのはのちのことです。
「云」だけで、雲をあらわしていました。
二本の線が雲のもやもやで、そこから竜の尾がのぞいているのです。
あたまはみえません。
だからオスかメスかはわかりません。
sumi_mojiさんの、竜のひげ。
ユーモアですね。
黒雲のなかからカミナリとともに顔を出している竜のいさましいすがたのようです。
竜のひげは長いでしょうから、その雲からひげがのぞくっていうのも
竜の勇ましさが増すかもしれません。
「須(ひげ)」は、男子しか伸びませんから、男子の儀礼上、大事なものでした。
竜はメスでもひげがあるのかもしれませんが、
あたまがひとつのようですし、
sumi_mojiさんの竜は、やはりオスの竜なのでしょう。
雲には竜がいるのです。
青い空、白い雲、というよりは、雷でもなりそうな、黒い雲を想像してしまいます。
「神」という字は、もと「申」と書きました。
この「申」は、カミナリのことだったのです。
カミナリ。
「神ナリ」でしょうか。神の威光のあらわれなのですね。
神虫(しんき)である龍が雲にはすんでいて、
ときにいかずち、雷神として降りてくるのでしょう。
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コメント(4)
sumi-moji :
TBをありがとうございました。
オスとメスの竜のお話おもしろいですね。
私の竜が"オスの龍"に見えるかは、<?>が沢山つきそうですが、いつもながら、詳しく教えてくださって、勉強になります。
"風"の字の「虫」も竜をあらわしていることを思い出しました。
昔は、今と比べものにならない程、自然のなかに神を感じて過ごしていたのですね。
今日などは、龍があばれて一雨ほしい福岡です。暴れすぎも困りますけれど・・・
kodo :
●sumi_mojiさん
竜にオスメスがあったなんて、びっくりですね(^^;
他の方の本をみても、雄雌なんて書いてないようです。白川先生のオリジナルでしょうか。
字通をひいてみると、
【禹】
[会意]虫+九。九は竜の形。雌雄の竜を組み合わせた形で、洪水神の禹を示す。
【九】
[象形]竜蛇の形。竜蛇に虫形と九形とあり、九は岐頭の形でおそらく雌竜。
虫と九と組み合わせた形は禹。九州の水土を治めたとされる神である。
やはり「九」は「岐頭の形でおそらく雌竜」とあります。あたまは「岐頭」、すなわち分かれていればよいようなので、「禹」の甲骨文の「九」にあたる部分には双頭の2つにしか分かれていないものもありました。
二匹の竜といえば、「愚偶遇隅寓」などの「禺」という字も二匹の竜です。
【禺】
[象形]おそらく頭部の大きな虫の形であろう。
字形に即していえば、蛇形のものが相交わる形であったと考えられる。
字形の近い禹も、二竜の交わる形である。
【禸】
[会意]九+ム(巳(し))。いずれも虫の形。大小の虫の相交わる形で、
禹も立意の同じ字である。
蘭亭の「遇」字も、「九」と書きますが、「冂」を「九」に書くのは、かっこがいいからではないんですね(笑)
暑い日が続きます。sumi_mojiさんもお体お気をつけて。
かくれんぼしていて熱中症で亡くなった子どもの事が昨日の新聞にありました。
「雨も有情のものであった。雨を降らせるものは、雲が女性神であったように女性と考えられ」(「甲骨文の世界」より)
雲は女性神とあります。メスかもしれません。
こちらはきょうは朝から雨のようです 。
sumi-moji :
kodoさん!
ということは、私の竜にひげを書いてはいけなかったのかもしれませんね。“雲は女性神であった・・・”面白ですねえ。
漢字一字で広がっていく世界を大切にしたいものです。
現代では、<迎え火>を焚いてご先祖様をお迎えする今日などは、目に見えない世界を感じる数少ない時ですね。
いつも、とても感謝しています。
ご自愛くださいませ。
kodo :
●sumi_mojiさん
旬は珠をいだく凛々しい竜のすがたです。
旬と雲とは字形が近く、雲は雲中に頭をかくした竜形の神であり、
旬はその雲にかえて、日を加えた形である。
とあります。旬の竜はメスの「九」です。
竜は辛形の冠をかぶる勇ましい竜のすがたです。甲骨文字をみると、辛という冠のしたにひげがあり、かっこいいなぁ(^^;とじつは私もおもっていました。でも、旬とおなじように考えると、これはひげではなくメスの「九」?
いずれにしても、メスの竜だからといって、ひげがないとはかぎりません。
ひげとして書いたのだから、まちがいではないでしょう。
sumi_mojiさんもおからだおだいじに。
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