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墨について(3) - 墨の保存法

2008年3月14日 kodo | | コメント(0) | トラックバック(0)

三、墨の保存法
墨は室内に於て放置するときには、平均五%の水分を含有するという。
墨は湿気を大変嫌う。多量の水分を吸収して湿気を帯びると、表面に黴が生えて膠質が変敗し墨色を損する。伸び、光沢、膠力共に減退してしまう。膠の劣化を防ぐためにも、常に乾燥状態に維持することが大切であり、桐箱に入れて保存するのも、できるかぎり吸湿を防ぐ為にほかならない。
墨は乾燥するのが良いといっても、日光の直射に曝してはならない。火気に当てる事もよくない。膠質を変じ、崩潰する事があるからである。乾燥も一定度を越えると、亀裂を生じ遂には挫折するに至る。殊に乾湿の変化が急激な場合は一層著しく、保存の佳くない古墨に多数の亀裂を見るのは此の為である。
中国製の墨はいずれも甚だ割れ易いようである。膠の粘着力が弱いためであるらしい。墨を摺った後、箱に入れて大切に保存しておいても、いつの間にか割れているということもある。取り扱いには十分に留意する必要がある。
以上、墨の性質とその取扱に就いて記述した。

平成四年九月二十九日。

(日本大学書道研究会発行『書心』第27号)

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